お気に入りの名画「カサブランカ」(2)
「カサブランカ」に有名なシーンがあります。
それは、ボギー扮するリックの店に飲みに来ていたドイツ軍の将校たちが興に乗ってある歌を唱和し始めると、他の客たちが皆顔を見合わせる。
場が嫌な雰囲気になったと思ったら、リックの恋敵(こいがたき)のラズロが店のバンドに指示してこれも有名な曲の演奏を求める。
戸惑うバンドマンたちにリックもOKのサインを目で送り、バンドマンたちは意を決してその曲を演奏し始める。
すると、ただちに客の皆が立ち上がって、バンドに合わせてこれを大合唱してドイツ軍将校を圧倒する
というシーンです。
「カサブランカ」が制作されたのは第2次世界大戦中の1942年。
この映画の舞台はフランスの植民地だったモロッコの首都・カサブランカ。当時は、ドイツの傀儡だったビシー政権の統治下にありました。
ラズロが指示し、リックも支持してバンドの伴奏で店の客たちが大合唱したのは、有名な「ラ・マルセイエーズ」、フランス国歌です。ビシー政権下では、自由フランスというレジスタンス運動を象徴する歌でした。
フランス国歌がなぜレジスタンス運動を表すかといえば、「ラ・マルセイエーズ」はもともと、フランス革命の際に市民が組織したマルセイユ義勇軍によって歌われた軍歌で、王権に対する市民の抵抗の歌だったからです。
この「ラ・マルセイエーズ」は、有名な曲なので、日本人のわれわれも多くが知っています。
問題はドイツ軍将校たちが歌った曲です。
この曲は一般の日本人には知られていないので、映画をBS2やDVDで観た人は(おそらくドイツの有名な曲なんだろう)程度の想像で聞き流してしまいますが、一部の京都の学生のたちには大変大きな衝撃を与えました。
なぜなら、この曲は、歌詞は別としても、フレーズがまるまる、同志社大学のカレッジソングそのものだったからです。
「ドイツ軍の将校が同志社カレッジソングを歌っとる、それほど同志社大学は昔から海外でも有名なんやなあ」などと単純に感動するようなアホな学生も例外的にいました。
しかし、概ねの学生は「なぜ、同志社のカレッジソングと同じフレーズをドイツ軍が歌っているのか」、カレッジソングのいわれの方に感心を持ちました。
そのいわれは後日ご紹介するとして、まず、それが本当なのか、皆さまも、下のYou-Tubeのビデオクリップでご確認ください。
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コメント
私も大学の時この映画をみて、「なぜうちのカレッジソングがドイツの軍歌なのか?」と顔から火が出るおもいでした。プリンストンでも歌われているときいたことがありますが真偽のほどはしりません。わかったらおしえてくださいね。
投稿: ねこのこばん | 2008年4月 8日 (火) 09時32分
ねこのごはんさん、コメントありがとうございます。
なぜ「同志社カレッジソング」が「ラインの守り」(ドイツ軍歌)と同じメロディなのか?という理由については「イェール大学と同志社大学のカレッジ・ソング・リレー 」をお読み頂いて(または、すでにその前に)お分かりになっておられたと思いますが、プリンストン大学でも「ラインの守り」が歌われたとのお話は知りませんでした。ただ、大学歌の発祥の地はドイツで、特にドイツ帝国が誕生した1870年代以降(第1次大戦前)は、プロテスタント国ドイツの興隆に対してアメリカの同じプロテスタントの学生は好感を抱いていましたから、その国の元気の良い歌も好まれて歌われたとは考えられます。新島襄も、ドイツの興隆をプロテスタントの力によるものとして評価していましたが、この評価は新島の学んだアーモスト大学やアンドーバー神学校の中でも言われていたことだと思います。
投稿: トニー北山 | 2008年4月 9日 (水) 05時33分