グルメ・クッキング

ホワイトソース

 最近、土居善晴さんの「おかずのクッキング」がマイブームです。

もともとクリスマスとお正月のレシピを書店で選んでいたら、この本が料理の先にある日本の文化にまで触れていたのですっかり気に入り、さっそく今年のおせち料理は、この本を参考に、いろいろ手作りでつくったのです。

それから、この本が料理番組のテキストだったと知り、それを見始めたら結構面白い。土井さんは最初はちょっとコテコテの大阪人やなあ、という印象だったのですが、見慣れるとノリが良くて大好きになりました。

その2・3月号の特集がホワイトソースで、さっそく、それをつくってみたら、グラタンもクリームコロッケも簡単に出来ました。

しばらく前からフレンチの家庭料理に凝っていたので、ホワイトソースもレシピに加わって、いよいよ、週末はナイフとフォークにワインばかりの食事になりました。

ボリュームがあるので、ちょっとおなかの辺りが気になります。

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年の瀬の餅つき会

 昨日は実家の持ちつき会でした。

 毎年、29日に行う行事でしたが、今年は不景気の影響で仕事収めが早かったため、すこし繰り上げて日曜日に行われたのです。

 実家は大工さん。職人さんがあつまって、かわるがわる餅をつきます。ボクも2度ほどつきましたが、2度目はヘタれて、途中で職人さんに代わっていただきました。

 餅米は2、3斗あったでしょうか。朝8時から夕方5時頃まで、ビールを飲み、雑談しながらつきつづけました。

 昨日は競馬の有馬記念があり、携帯で馬券を買える仕組みを利用している職人さんもいたので、午後までは皆何に賭けるか、皆が勝つような話に盛り上がっていましたが、2着に大穴が出たために、結局みんなすってしまい、夕方は少し気落ちをしていました。

 今年、日にちが変わったために、昨年まで毎年来ていただいた方々には欠席者もいて、少しさびしかったのですが、この会だけしか顔を合わさない方も来られて、それなりに楽しい会でした。

 世の中は不景気で、実家のその風を受けているけれど、そんな話をクヨクヨしてもしょうがないから、皆だれもそんな話はしません。

 こんな行事の中を行う中で、小さな幸せを感じ取ることが大切、そして、それに参加できたことが幸せ、ボクはそう感じていました。

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焼さば寿司

 金曜日に上方へ日帰りで行った際、帰りの新幹線で食べるお弁当を新大阪駅の構内で探していたら、おみやげコーナー店頭で、優しそうなおばちゃんが、前を通り過ぎる人ひとりびとりに「いらっしゃいませ」と心のこもった挨拶をしていました。

 ボクも、そのおばちゃんの前を通り過ぎたのですが、その声が嬉しくて、「どうせ買うなら、こういうおばちゃんから買いたい」と思って立ち戻り、おばちゃんが売っていた「焼さば寿司」を買いました。値段は1050円と結構高いものでしたが、ご祝儀代わりに奮発したのです。

 その前夜、「県民」の面白い話をしていたテレビで、福井県の名産の焼きさばのことが話題になっていて、一度食べてみたいと思ったことも理由のひとつでした。

 買ってみると、この焼さば寿司も、福井の若狭の品。小浜の丸海さん(小浜海産物さん)の新作で、「焼さば寿司」の名も商標登録出願中とのこと。

 ふたを開けてラップをはがすと、ちょうどコッペパンくらいの大きさの寿司飯の上全体に、おいしそうな焼き色のついたさばの半身が乗っています。それがロールケーキのように、1.5センチくらいづつ輪切りに包丁が入れてありました。

 食べると、肉厚のさばの身が柔らかくてホクホクする歯ごたえで、なんともいえない美味。

 さばというと、関東では、サバの味噌煮だったり、しめ鯖だったりで、少し硬くて、酸味のあるような身の味を思っていたのですが、まったく違う味でした。

 福井県の方が大好きな理由がわかりました。

 「越前の名産、ここにあり」、満足の一品でした。

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「ケンタッキーの我が家」風フライドチキン

クリスマスが近づきました。

これからクリスマスまでは、それにちなんだ話題を書きたいと思います。

まず、クリスマス料理の定番についてです。

 クリスマスの定番料理は、やっぱりフライドチキンですね。この時期、KFCのテレビコマーシャルは、竹内まりやさんの「すてきはホリディ」がGBMに掛かります。テレビから、まりやさんの「クリスマスがもうじきやってくる~」って歌が流れて、画面を見ると、フライドチキンを美味しそうに食べる家族の絵、もう、パブロフの犬になったように、フライドチキンが無性に食べたくなりますね。

 あのKFCのフライドチキン似のフライドチキンを僕の家ではよく作りますが、これを名付けて「ケンタッキーの我が家」風フライドチキンと呼んでます。フォスターの名曲に引っかけた名前です。

 このレシピは次の通りです。

①まず、あたりまえですが鶏肉です。骨付き肉なら、鶏の手羽元、または骨付きもも肉まるごと。骨なしなら、皮のついたままのもも肉を大振りに切ったものを用意する。胸肉だっておいしいです。
②肉に塩とコショウを振ってしばらく置いて馴染ませる。
③その肉を蒸し器で30分ほど蒸す。(圧力鍋で蒸す場合には、20分ほど加圧したあと急にて、すぐ冷却する適)
④小麦粉にガーリックや塩コショウ、ハーブ(タイム、オレガノなど)の粉を適当にまぶしたものをお皿に盛り、その粉の上で③の肉をころがして肉に衣をつける。
⑤植物油を180度程度に熱して、④の肉を揚げる。
 
 このフライドチキンのポイントは二つあります。まず、②のように肉を蒸すことで、鶏肉についた余分な油を取り除き、肉がしまって美味しくなります。ちなみに、皮の下の黄色い油はコレステロールの固まりです。つぎに、④の小麦粉です。これが片栗粉だと、空揚げになってしまいますのでご注意を。
 付け合せは定番のコールスローサラダ(キャベツのサラダ)です。これは、千切りや粗切りにしたキャベツ、ニンジンにオリーブオイルとレモン汁、塩コショウを加えて、さらにマヨネーズで合えます。「ケンタッキーの我が家」の甘めのコールスローにするには、これにコンデンスミルクを少し加えます。

 これで、お肉によく塩コショーの味の染みた、「ケンタッキーの我が家」風のフライドチキンができあがります。

 フライドチキンをつくるときは、フォスターの曲を鼻歌で歌いながら作ってます。

 みなさんもぜひお試し下さい。

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千枚漬けをつくる

 近くに農産物の直販センターが出来たので、昨日、さっそく行ってみました。

 すると、珍しく聖護院かぶらが売っていたので、さっそく買ってきて、千枚漬けをつくりました。

 千枚漬けは、もともと、京都新京極のお漬け物屋さん・大藤さんのご先祖が開発したもので、おおきな聖護院かぶらを専用のカンナでうすく削って、お酢と砂糖、塩、味醂、鷹の爪、柚などからなる調味液につけ込んだお漬け物です。

だけど、大藤さんのオリジナルレシピは、かぶと塩と砂糖とお酢だけです。http://www.senmaiduke.com/

 千枚漬けを家庭でつくる、いろいろなレシピがネット上に紹介されていますが、ポイントはお酢を入れすぎないことです。

 昨日の出来は、正直いって、ちょっとお酢がきつすぎました。

 なんどか挑戦してから、皆さまにもレシピをご紹介したいと思います。

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洋食屋さん「サラダの店 サンチョ」

 先日、京都に出張ったとき、懐かしいお店に行きました。

 四条通り北、河原町通りと新京極通りに挟まれた路地にある「サラダの店 サンチョ」さんです。

 仲間と夕食をする予定が、時間が合わなくなってキャンセルとなり、一人で夕食を取ろうと思って新京極の「スタンド」に行ったらシャッターが閉まっていました。

(そういえば、学生時代に通ったサラダの店があったよなあ、まだあるかなあ?)と思って新京極通りから河原町方面へ続く路地に入ったら、昔は塀に囲まれていてひっそりしていたところでしたが、様子はすっかり変わっていて、フラッション・ビルのショーウィンドーなんかがあって開けた場所になっていました。

(もう無いかなあ?)なにせ、学生時代以来、ほぼ四半世紀ぶりに訪れようとしていたお店ですから、無くてあたりまえなのかも知れないとウロウロしていたら、しっかりありました。

 入り口は狭く、カウンターの後ろを通れば、奥のテーブル席が隠れ家的に広がる、昔と同じたたずまいで「サラダの店サンチョ」さんがオープンしていました。

 思わず嬉しくなってお店に入ると「いらっしゃいませ」とスタッフの明るい声。

 ボクは心の中で小躍りしながらカウンターの一番奥に座りました。

 メニューを見ると、昔どおり、山盛りのサラダに添えられたハンバーグやクリーム・コロッケ。このハンバーグとコロッケのセットが「コンビネーション」と名づけられているのも昔どおりでした。

 しかも、そのお値段も四半世紀を経た今でも、ボクが通った当時とほぼ同じ1000円前後。いまどき安すぎるお値段です。

 ボクは「コンビネーション」をお願いしましたが、これに炊きたてのライスや暖かくて美味しいスープのセットをつけました。

 しばらくすると、メインディッシュが届きましたが、このサラダにたっぷり掛けられたオリジナル・ドレッシングが実に美味しい。

(あー、そうだった、この味だった)特にハンバーグはジューシーで絶品。ボクはまたまた嬉しくなりました。

 その日がアルバイトらしい可愛いお嬢さんに優しく指導している長身のスタッフの方とお話したところ、「サンチョ」さんは、ボクが通っていた頃より10年以上も前からお店を開いていたということで、京都の市民の方に長く愛されているお店だったことが分かりました。たしか、学生時代に、お店の前にお祝いの花が飾られていたような記憶があって、そのときオープンしたのかなあ、とずっと思っていたのですが、そうではありませんでした。(もしかしたら、当時改装したのかも知れません。)

 学生時代に初めて「サンチョ」さんを訪れたとき、ボクは、自動車教習所に通っていて、そこで知り合った京都外大のお嬢さん二人と、二人一緒に、あるいは別々に、ここに食事に誘ったり、ここで待ち合わせたりして食事と会話を楽しんだものでした。

 今回は、スタッフの方と少しお話を楽しみました。

 学生時代、河原町通りの東側のノッポビルのてっぺんに「SKYLAND」というジャズ喫茶があって、ボズスギャッグスのレコードジャケットの写真を紙マッチの表紙に印刷していたものが粋だったので、ボクはそのマッチを宝物の一つとしているのですが、スタッフの方も同じマッチを今でも持っていらっしゃるとのこと。(しかし、著作権からいうと、このマッチ、とんでもないですね。)

 「サンチョ」さんは、河原町を本店として、西京極や伏見にもお店を出しておられるようで、美味しいドレッシングやこだわり野菜を通販で全国に出荷もされているようです。

 ますます繁盛されておられるようで嬉しいことです。

 ボクが京都に行く楽しみが一つ増えました。

 http://www.sancho.co.jp/index.htm

 

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中野寿雄さん『美味しいフランス家庭料理』

 先週、書店で中野寿雄さん著『美味しいフランス家庭料理』を買いました。

 本当はティファールの鍋で簡単につくれるフレンチの本を探しに書店を覗いたのですが、圧力鍋用のレシピ本というと、肉じゃがなど和食ばっかり。そんな中で見つけたのが、この『美味しいフランス家庭料理』だったのです。

 そして昨日は、この本の中の「豚バラ肉のブランケット」を作りました。豚バラ肉と根野菜をクリームで煮る料理です。本では、肉は「ごく弱火で2時間煮る」とありましたが、そこは圧力鍋パワー。10分程度の加圧と15分程度の自然放置で美味しいフレンチが出来上がりました。

 これをバケットと白ワインで平らげ、久しぶりに美味しいフレンチを頂くことができました。

 フレンチというと、昔、近所の一軒屋のお店には行きましたが、ビストロのフレンチはコース料理が主流でコッテリしたものが多く、最近あっさりしたものを好むようになった僕はだんだん敬遠するようになってしまいました。でもこの本によると、フランスの家庭で日常食べられている料理は、僕たちがイメージするフランス料理よりずっとずっとシンプルだそうです。

 僕も洋食をつくって家で食べる場合には、僕はたいてい、メインディッシュ1皿にレタスかキャベツの小さなサラダ、これをバケットとワインで楽しんで食後にビアレッティで淹れたエスプレッソ・コーヒーを頂く。少し凝った場合には、これにリンゴのコンポートなどのデザート1品を加える程度です。

 でも、この本のおかげで、そのメインディッシュのレパートリーが増えました。

 少し手の込んだ美味しい料理を作って家人と食べると、平凡な一日が特別な日になります。それは別に料理に限ったことでなく、面白い小説を読んだときでもそうです。良い音楽を聴いたり、良い映画を見たたり。そういう小さな喜びを毎日一つでも感じながら暮らすことが、生きる上で大切なのではないでしょうか。

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三ツ矢ウスターソース

 明治屋さんが輸入しているリーペリンのウスターソースといえば、170年ほど前にイギリスのウスターシャー州で、薬剤師のリーさんとペリンズさんが発明した元祖ウスターソースなのですが、昨年秋、「食品衛生法上認められない乳化剤の使用」の由で販売休止・自主回収の憂き目に遭いました。

 今年春には、その乳化剤を排除したので「販売再開」となったのですが、近所のスーパーでは、自主回収以来、リーペリン社製のソースでは、ガーリックソースは置いていても、ウスターソースは棚に並ばなくなりました。(「自主回収」は一度でも起きると命取りですね。)

 僕は、それ以来、本格的なウスター・ソースが味わえなくなって残念に思っていたのですが、たまたま同じスーパーで、「三ツ矢ウスター・ソース」を発見しました。

 このソースのラベルを見ると、明治27年に誕生した日本のウスターソースの草分けであって、今もその当時のレシピとおり、木樽で90日寝かせて作っているとのことです。ラベルに印刷されている木樽の写真を見ると、樽からソースがにじみ出ていて、ちょっと汚らしいようですが、それがまた、手作り感をかもし出しておいしそうです。それに、リーペリンのソースよりもずいぶん安価です。

 さっそく買って使ってみると、コクがあるのに実にまろやかで、リーペリンのウスターよりも甘口だけどそれが日本人向けで非常においしい。

 僕はすぐにこのソースのファンになりました。

 嵐山光三郎の『古本買い 十八番勝負』(集英社新書)を読んでいたら、向田邦子が好きな料理の一つがゆで卵をウスターソースに漬けただけのシンプルなものとありました。

 このソースでさっそく作ってみることにします。

http://www.k-haguruma.co.jp/product_08.html

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信州・上諏訪 いずみ屋さん

 信州の上諏訪温泉は、東京から特急あずさに乗って2時間程度で行けるので、群馬県の伊香保温泉とともに、僕がたまに行く温泉場です。

 駅から南西側、諏訪湖周辺が大きなホテルが立ち並ぶ温泉街となっています。諏訪湖ホテルは、昭和天皇がお泊りになった「皇室ゆかりの宿」。ほかに、浜の湯、油屋、ホテル紅やなど名旅館が点在しています。

 諏訪湖ホテルは平日なら一人で泊まれるので、僕は数度利用しましたが、畳敷きの広い部屋にのんびりできます。

 ホテル紅やさんも、一人で泊まれるし、展望風呂から見る諏訪湖が絶景です。

 先日は紅やさんに泊まりましたが、夜8時半頃、部屋で書き物をしていたら、突然大きな花火の音が鳴り出しました。

 結構大きな音が鳴り止まないので、物書きをあきらめ、フロントに聞いてみると、なんでも、夏期は毎日15分ほど諏訪湖で花火を打ち上げていて、ホール屋上のビアガーデンか、あるいは14階の展望風呂の「湯上り」からならよく見える、とのことでした。

 僕はさっそく14階に上がってみると、目の前の壁全面に張られた窓が巨大スクリーンのように花火を描き出していました。諏訪湖の中にある初島から打ち上げられているのです。

 毎日上げている割には、なかなかどうして立派な花火で、最後の巨大なスターマインにはちょっとした感動を覚えました。

 ところで、上諏訪で困るのは、僕のような一人旅の者が気軽に入れる食事場が少ないところです。特に、夜、上諏訪に入ると、食事する場所を探すのに一苦労します。

 ラーメン屋さんは駅そばの小道に並んでいて、中でも「麺屋・宮坂商店」の「ぎょってりラーメン」は、細めんにとんこつと魚介スープをブレンドした濃厚ながらさっぱりしたおいしいラーメンですが、ジモティ(地元)の名物料理をいただきながら地酒を味わうようなお店がなかなかありません。

 と思いきや、その日は、駅の近くに「れすとらん割烹・いずみ屋」さんという、失礼ながらさほど目立たないお店に入ってみました。すると店内はお客さんで満員で、2階に通じる階段の壁には、NHK大河ドラマ「風林火山」出演者のサイン入り色紙などが並んで張られていて、一目で(これはただものではない)という印象。

 僕はお腹がすいていたので、「煮込みかつ膳」をさかなにビールを飲んだのですが、この煮込みかつはボリュームがあって衣がさくさくしていて柔らかく、大変おいしい。それにお値段が780円というのですからうれしくなりました。利酒セットなどという、諏訪の銘酒5種がグラスで出てくるセットもあって、全部の銘柄を当てると千円もらえる(?)という楽しいもの。昔、京都の「餃子の王将」で、ジャンボ餃子を10分で食べ終わると千円もらえるキャンペーンを思い出しました(成功すると、名前も張り出されるので、店で友達の名前を見つけると思わず笑ってしまいましたけど)。

 給仕をしてくださるおばちゃんも気が利いて優しく申し分ない。

 (これはいいお店を見つけた)と僕は一人喜びました。

 皆さんも、信州・上諏訪に遊びに行く際は、ぜひお立ち寄りください。http://www.tamatebako.ne.jp/izumiya/

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錦松梅

 僕が地方の友達に持参する東京土産のNo.1は錦松梅(きんしょうばい)です。

 これは、鰹節をベースとして、ゴマや松の身、しいたけなどが入っている、おそらく日本一高いふりかけです。錦松梅さんのホームページを見ると、もともと、江戸時代、掛川藩(静岡)の旭翁という食道楽が長い期間を掛けて発明した自家用のふりかけだそうで、江戸の味を今に伝える逸品となっています。

 僕がこれをお土産に選んでいる最大の理由が、この「江戸の味」を気に入っているからですが、あと2つ理由があります。

 そのひとつは、高が(あえて「たかが」といいますが)ふりかけのくせに、有田焼や会津塗りの高級な器とセットして4,5千円の定価設定をしている一方、器の不要な人には徳用として、たっぷり入った袋入りを千円で提供してくれるから、いろいろ用途にあわせて、商品を選べること。

 もうひとつは、地方の百貨店でも扱っていて、どこにいっても、錦松梅の手提げ袋に入れてくれるから、東京で土産を買い忘れても、その地方のデパートでこれを買って、東京の土産として友達に渡せるからです(ちょっとずるいようですが)。

 味は、鰹節をしょうゆでまぶしたものと大して変わらないといような批評もありますが、いろいろな珍味が入っているので実は奥深く、それは、これでお茶漬けを食べたり、豆腐に掛けたりすると誰でもはっきり分かります。

 もし江戸の味を伝える東京土産を探している方がおられたら、僕は、山本海苔とか、この錦松梅を第一に推薦します。http://www.kinshobai.co.jp/

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圧力鍋は地球を救う

 先日、欲しかったティファールの圧力鍋を買いました。

 さっそく焼き豚(煮豚)を作りました。

 調理時間は加圧してから22分、ごく弱火で圧力を加え続け、それから火を止めて20分蒸らすと驚くほどやわらかい煮豚ができました。

 出来具合は、ちょうど、喜多方の坂内ラーメンの焼き豚ラーメンにてんこ盛りになって乗っている焼き豚のようで、厚切りにしても、噛むとやわらかくほぐれておいしいお肉の味が口いっぱいに広がります。

 圧力鍋は加圧されるまでは中火にする必要がありますが、いったん圧力が掛かったら弱火で短時間で調理ができます。

 その後、とうもろこしを蒸しましたが、これはわずかに2分、枝豆にいたっては、わずかに1分で茹で上がります(いずれも加圧後の時間)。

 それまでの調理は、ガスを中火にして20分も30分も掛かる場合があります。

 僕は、圧力鍋の圧倒的な省エネルギー性能にすっかり感激しました。それなのに、普通の鍋での調理では実現できないほどおいしい。

 皆様も、圧力鍋で蒸したとうもろこしをお試しになったら分かります。その辺のスーパーで売っているとうもろこしがおどろくほど甘くなるんです。

 僕たちみんなが圧力鍋を使えば、確実にエネルギー消費は少なくなるでしょう。だって、加圧後も中火のまま放っておいたら、水蒸気の音が叫び声のように甲高く鳴り響き、だれでも驚いて弱火にせざるを得ないのですから。

 「圧力鍋は地球を救う」

 それ以来、僕の家では、どんな料理でも、ほとんど圧力鍋で調理しています。

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ヴィタメールのチョコレート

 ブリュッセルに行った友だちから、ヴッタメール(WITTAMER)のチョコレートをおみやげに頂きました。

 ヴィタメールは、ノイハウスやゴティバほど知名度は高くないのですが、ブリュッセルの老舗のパテシィエの一つでベルギー王室御用達です。

 フィリップ皇太子とマチルド皇太子妃の間に生まれたエリザベス王女の誕生祝いに、このチョコレートが選ばれたそうです。

 ヴィタメールは日本の百貨店にも出店していますが、友だちから頂いたものはブリュッセル、サブロン広場にある本店でしか売っていない(?)新作の「CUBE」というもの。ピンクの可愛いケースに生チョコが4段重ねで入っています。

 美味しくてあっという間に食べてしまいました。

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http://www.wittamer.jp/

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Hamac de Paradis寒梅館

 先日京都入りした時、夜は同志社大学寒梅館の Hamac de Paradis(アマーク・ド・パラディ)でワインを飲みながらイタリアンをいただきました。

 僕たちが学生の頃の1980年代前半では、同志社内で飲酒することなど絶対認められないことでした。京都の大学で酒が飲めるのは唯一、瓜生山の京都芸術短期大学だけでだったと思います。

 ちなみに、芸短さんは、なんともいえない良い雰囲気の芸術系短大で、僕は高校の頃、一時陶芸もかじっていたので、芸短さんの学園祭「瓜生山祭」に行って、そこの陶芸サークルの作品を買うのが楽しみでした。現在、芸短さんは、京都造形大学という4年生の大学になっています。

 アマーク・ド・パラディは、法科大学院やビジネススクールが入っている寒梅館という巨大なレンガづくりのキャンパスの1階にあるオシャレな学生食堂で、店名は、「天国のハンモック」という意味です。同志社外のお店が経営していて、値段は学生向けですが、美味しいイタリアンの創作料理が楽しめます。

 僕が一人で京都に行く場合には、夜はたいてい、ここで食事をしています。

 寒梅館の7階にも、外部のお店が経営している高級フランス料理店「セカンドハウス・ウィル」があるのですが、こちらは金額が張るのでなかなか行けません。

 遊びで京都に行く方は、食事は京料理を楽しむ方が多いのでしょうが、僕はいつもイタリアンとかフレンチとか、そんな洋食ばかり食べていますが、それがなんとなく同志社人らしいと一人で思っています。http://www.doshisha.ac.jp/information/facility/kanbai/cafe.php

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(ホテルギンモンド京都内)ベラロッサ・ダニエルズ

 先日、上方に行った際、京都にも立ち寄りました。

 京都では、ホテル・ギンモンド京都1階のイタリアン・レストラン、ベラロッサ・ダニエルズでランチを頂きました。

 このホテル・ギンモンド京都は、広い御池通りに面した、ヨーロッパのプチホテルの雰囲気が濃厚な、僕のお気に入りのホテルの一つなのですが、その中にあるベラロッサ・ダニエルズは、イタリアの陽気なトラットリアのような、大変感じの良い店です。

 イタリアン・レストランのランチは、パスタのランチが一般的ですが、ここは気が利いていて、パスタ抜きのランチ”Piatti Lunch”も選べます。

 僕は、そのピアッティ・ランチを頂きましたが、その日のメイン・ディシュはビーフのソティで、ずいぶんボリュームがありました。それにパン、コーヒー、デザートもついて1000円でしたから大変得した幸せな気持ちになりました。

 窓のそばの席の熟年ご夫婦が食べていたパスタ・ランチも、かなりボリュームがありました。

 給仕服に身を包んだ綺麗な女性が料理を運んでくれるのも、ちょっと嬉しかったです。http://www.gimmond.co.jp/kyoto/bellarossa.html

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ほうとうと乾麺

 武田信玄のふるさと山梨の名物といえば「ほうとう」です。

 先日、「桔梗屋信玄餅」で有名な桔梗屋さんの本社工場敷地内にある水琴茶屋さんでそのほうとうを味わってきました。

 水琴茶屋さんでは、運ばれてくる水を張った鉄鍋に自分で煮干しを入れるところからほうとう鍋づくりが楽しめます。

 煮干しで出汁がとれたら、猪肉やカボチャなどの野菜とともに味噌を半分入れて、具材が柔らかくなったら、残りの味噌とほうとうをいれます。

 係の人の話では、ほうとうには塩が入っていないとのこと。だから麺は保存のために冷凍してあります。なるほど、それだからこそ、ほうとうは、カボチャと味噌の溶け合った甘い汁の中でやわらかい小麦本来の味が味わえるのですね。

 そして、地元以外はほうとうの麺が手に入りにくい理由もそのためなのでしょう。

 考えてみると、普通の乾麺は、包装袋の表示を見ると、たくさんのナトリウムが入っていることが分かります。保存性を高めて長期間販売できるようにしているからでしょう。

 そのナトリウム入りの麺に加えて味噌や醤油で味付けした汁を飲めば、どうしても塩分を多量に摂取することになります。

 その点、ほうとうは野菜もしっかり取れて、麺自体には塩分も入っていないから大変健康的な麺料理だと思いました。

 最近、ナトリウムと食塩の関係が分かったので(http://ivy-life.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_03da.html)、それ以来、スーパーで乾麺を買う時は、包装袋の表示に注意して比較するようにしています。そうすると、並んでいるうどんやそばの乾麺でも、ナトリウムの量は実にさまざまであることに気がつきました。

 「そば湯が飲めます」という比較的高級なそばの乾麺は、そば粉の使用率が高いのにくわえて、ほとんどナトリウムが入っていないことに気が付きました。

 そんな表示のない乾そばは、ナトリウムが多く、食塩換算だとその2.6倍も濃い塩分が入っている訳で、当然ゆで汁にもずいぶん塩が含まれていることになります。

 その汁に出汁を加えて飲むなんて、実に高濃度の食塩水を身体にいれることになるわけです。

 麺類のお好きな皆様も、健康のためにぜひこの点に注意していただきたいと思います。

 下はほうとうに関して触れた桔梗屋さんのブログです。http://blog.kikyouya.info/2007/11/post_4bbc.html

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僕の鍋パーティ、チーズ・フォンデュ

 去年頃から冬になるとチーズ・フォンデュをやるようになりました。

 スーパーマーケットには、フォンデュ用に「粉」の入った専用のチーズが売っていますが、それを買わないとフォンデュができないかというとそんなことはありません。

 一番簡単なのは、「とろけるチーズ」を買ってきて、それに白ワイン、「うれしいワイン」だとか、「ビストロ・ワイン」などの手ごろなワインで十分です。あとは、家にある小麦粉、牛乳と適当な食材。

 鍋は普通の土鍋でいいのですが、僕の場合は、ショッピングセンターの中に入っている雑貨屋さんで買ったイタリア製のフォンデュ鍋。でも、これも千円くらいのものです。

 コンロは、固形燃料を用いるフォンデュ専用のものが雰囲気が出て、僕も使っているのですが、ポイントはごくごく弱く火を点すこと。そのためにスライドさせて空気穴の大きさを変えることができる半蓋を載せるのですが、この空気穴がちょうど良い大きさにしないと、いつのまにか火が消えたりして、何度も点火させる必要があり、ちょっと面倒。

 この間、とろ火が点せるカセットコンロでやってみたら、火が自由に調節できて、そっちの方が良かったです。

 準備としては、キッチンのレンジに鍋を掛け、白ワインを100ccくらい入れて沸騰させてアルコールを飛ばします。

 それから、とろけるチーズを放り込んで、さらに小麦粉を大さじ2杯程度入れる。

 それから木のへら(別にステンレスのへらでもかまいませんが、もち手の火傷にご注意を!)でかき回せば、チーズがとけて全体がトロっとしてきます。小麦粉はそのトロ味出しのために使うので、小麦粉の代わりに片栗粉でもコーンスターチでもいいです。ただ、入れすぎに注意して、トロ味を確認しながら、すこしづつ量を増やすのがいいですね。

 食材は、2センチ角のさいの目状にカットしたフランスパンがメインになりますが、あとは何でも結構です。僕の家では、ウィンナーソーセージ、ボイルしたエビやポテト、ブロッコリーなんかが定番ですが、こないだ竹輪を輪切りにしたものを試したら、結構おいしかったです。竹輪の穴の中にチーズをたっぷりふくませるのがポイントです。いろいろ試してみてください。

 食材は、先頭が二股に分かれた専用の櫛で刺し、フォンデュ鍋のチーズに浸してチーズをたっぷりつけて食べるのですが、専用の櫛がなければ、別に普通のフォークを使ってもかまいません。

 牛乳は何に使うかというと、フォンデュを楽しんでいるうちにチーズがだんだん沸騰してきますので、放っておくと真ん中から焦げてしまいます。

 そうならないように、真ん中が泡立ってきたら牛乳を少しづつ注ぐのです。

 チーズが減ってきたら、またチーズを加えます。

 これを繰り返せば、結構ながくフォンデュを楽しむことができます。

 牛乳の代わりにアルコールを飛ばしたワインでもいいでしょうが、僕は面倒なので試したことがありません。

 フォンデュで気をつける必要があるのは、うっかりすると、食材をチーズの中でかき回すうちに、それが櫛からはずれてチーズの海の中で行方不明になってしまうこと。

 欧米のパーティでは、そんなときは、隣の人のほっぺにキスする罰ゲームを喰らうようですが、キスの習慣がない日本でそんなことを強要したらパーティもいっぺんで興ざめです。

 お目当ての娘の隣に座って、わざと食材を落とすヤカラが続出しても困りますしね。

 そんな場合は、罰ゲームで歌をうたってもらったりする程度にしてください。

 皆様も鍋パーティではぜひチーズ・フォンデュをお試しあれ!

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食べ物に含まれるナトリウムと食塩の関係

 今までだいぶ勘違いしていたことがあります。

 それは、加工食品や調味料のパッケージの表記上の「ナトリウム」とは「塩化ナトリウム」すなわち食塩のことだと思っていたことです。

 それで、生活習慣病の予防のために1日に摂取できる食塩の量は10~12グラム、などといわれていますので、おつまみやカップ麺なんかを食べる時には、パッケージの表示をみて、「1パッケージあたりナトリウム0.8グラム」だと、か「2グラム」などを見て安心して食べていました。

 ところが、よく見ると、「ナトリウム0.8グラム」の横に「(食塩2.0グラム相当)」などという記載があるので、「ナトリウム」とは「塩化ナトリウム」の略称ではなく、たんなるナトリウムのことだと気が付きました。

 すると、ナトリウムと食塩の関係が気になって調べると、ハイスクールの化学の授業で習ったとおり、食塩すなわち塩化ナトリウムは、塩素とナトリウムが1対1で化合してできた化合物であって、塩素はその原子量(グラム原子量)が35.45、ナトリウムのそれは22.99ですから、食塩(塩化ナトリウム)の原子量は合計して(35.34+22.99=)58.44。これをナトリウムの原子量22.99で割ると、2.54倍となります。

 このことから、1グラムのナトリウムは食塩2.54グラムに相当することになります。

 カップ麺で、その中にナトリウムが2グラム入っていれば、食塩に換算して5.1グラム入っている勘定になるのです。

 これはけっこう驚く量で、この「2.54倍」で換算すると、カップ麺の中には食塩で10グラム近い量入っているものもあるのが分かりました。

 物の本によれば、成人が1日に必要な食塩の量は1.5~2グラム程度とありました。

 上杉謙信が信玄に塩を送った有名な故事もあるので、人間、塩が無くては生きて行けないという観念がありますが、自然の食品の中にもナトリウム(食塩)が含まれていて、さらに加工食品は多くの食塩を含んでいるので、現代人は慢性的に過剰な食塩を摂取しているようです。

 健康に関する情報では食塩の量が基本になっているのに、加工食品はそうではなく、多くはナトリウムの量がベースになっています。それは、加工食品の含有情報を食塩の量ベースで表示すると、あまりに数値が大きくなって健康に悪いイメージが生じるからでしょうか?

 皆様も美味しそうな加工食品を見つけたら、ぜひ頭の中でナトリウムの量を2.54倍して食塩の量を計算し、それから購入の検討をなさってください。

 気をつけているのに実際には意外に多量の食塩を摂取している食生活に驚いている僕からの提案です。

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エスプレッソ・ポットがキッチンで吹っ飛ぶ

080226_04490001  おとといの日曜日、いいコーヒー豆が手に入っていたので、朝食時に普段のドリップ・マシーンではなくて、写真の小さなエスプレッソ・コーヒーポットでコーヒーを入れることにしました。

 これは、見てお分かりのように上・下二層式のポットで、下部に水を入れて、じょうごを下に向けたようなコーヒー受けに挽き豆を押し込んでセットし、その上に、上部のポット全体をねじ込んで固定してガス・レンジに乗せるものです。

 ただ、上部と下部を固定するネジ目がバカになっているようで、強く力を加えすぎると、また外れて緩くなってしまったので(おかしいなあ)と思いつつ、ちょうど堅くしまったところでねじるのをやめてレンジに置きました。

 通常は、しばらくすると上部ポットの真ん中に突き出た抽出口からコーヒーの泉が湧き出てくるのですが、今回はしばらくしてもそれが始まった気配がありません。

 ポットを見回すと、上・下のつなぎ目から湯気がすこし吹き出ていました。

 (これは、ネジがしっかり固定されてないので、そこから湯気がもれて、下部の中で加圧できていないのだ)

 僕はそう思って、圧力をもっと加えようとガスの火を強めました。

 上部のフタを開けてながめていると、やがて抽出口からコーヒーが湧き出てきました。

(よしよし)

 僕は抽出がはじまったのを喜んでみていましたが、その刹那、

 「バーン」と上部ポットとコーヒーのじょうごが空中に飛び上がってレンジのファン口にぶつかり、コーヒーと豆の粉がキッチン全体に飛び散りました。

「おおおっ!」

 僕はとっさに掌を前に広げて顔を守り、後ろに下がりました。服はコーヒーだらけ。

 食事をしていた家族も驚いて僕を見ます。愛犬ジェイも目を丸くしました。

 一瞬の出来事でしたが、あとはコーヒーでさんざん汚れ散らかったキッチンができあがりました。

 その後は朝食そっちのけで家族でキッチンの拭き掃除をしました。

 いやー、びっくりしました。

 エスプレッソ・コーヒーポットはそれでオシャカになりました。デザインが気に入っていたので残念でした。ホカす前に、記念に写真に撮っておきました。

 皆様もエスプレッソ・ポットの扱いは充分お気をつけてください。そうでないと、キッチンがコーヒーまみれになってしまいますよ。

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明治大学のカンパン

 先日の午前、用事があって御茶ノ水の明治大学へ行ったので、お昼は同大リバティタワー17階の学生食堂に行きました。

 すると、レジの奥に堆くサンリツ(三立製菓)の缶入りカンパンの山。バグパイプを吹きながら行進しているイギリス軍楽隊のお兄さんのイラストが目印です。

 レジのおばちゃんから「どうぞよかったら、カンパン持って帰って下さい」とのお誘い。なんでも、この3月に「品質保持期間」が切れるので、その前に皆に振る舞っているとのことでした。

 僕は嬉しくなって一つもらい、空いている席を探してあたりを見ると、うどんをおかずにカンパンを食べている女子学生もいて、なんとも微笑ましい光景です。

 残念ながら、そのカンパンには開けたあとに保存するためのフタがついていなかったので、僕はそこでは食べず、自宅で一つまみしました。

 サンリツのカンパンには思い出があります。高校生の頃、僕は山岳部に入っていましたので、山行きには必ず洗い米と一緒に、このカンパンをリュックに入れることを先輩から教えられ、いつもそれを守っていたからです。缶の中にちょっとだけ入っている氷砂糖を食べるのが楽しみでした。

 三立製菓のホームページを見ると、カンパンは軍隊の保存食として大正時代に生まれたようです。

 氷砂糖は、当分補給と乾燥したカンパンを食べるための唾液の促進のために入れてあるそうで、最初は色とりどりの金平糖が入っていたそうです。最初は白い金平糖だったものが、シベリアの極寒の地でテストをしていたところ、白い金平糖が冷たい氷を連想するとのことで不評だったために、カラフルなものにかわったとのこと。

 三立のカンパンも、長い歴史があるトラッドな物でした。

 今は保存食として備蓄用に用いられていますが、普通のおやつにも売られています。

 ちなみに、三立さんは「源氏パイ」のメーカーでもあります。

 ところで、カンパンには、昔はもっとゴマが入っていたように思います。三立さん、僕としては、できたらもっとゴマを入れて欲しいです。

http://www.sanritsuseika.co.jp/useful/us_4.html

 

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年の初めのたらこ餅

明けましておめでとうございます

皆様の今年一年のご健康とご多幸をお祈りいたします

 お正月には、たらこ餅をつくりました。

 たらこ餅は、京都仏光寺上がるのもち料理「きた村」さんの名物料理です。

 「きた村」さんは、大学の先輩になんども連れていって頂いたお店で、伺うたびに、やさしいお母さんの笑顔を見て我が家に帰ってきたような気持ちになります。

 お母さんにたらこ餅の作り方を伺ったら、薄皮を取ったたらこに玉子の黄身を入れて味醂で伸ばしたもの、とご説明いただきましたので、自宅でつくってみました。

 レシピとしては、たらこ3腹に黄身一つ、味醂を適量いれて、塩をすこし加えました。

 これを茹でて柔らかくしたおもちの上に掛けて暖かいうちに食べると、「きた村」さんのたらこ餅とほぼ同じ味に仕上がりました。

 祝い酒は、今年はキクマサの生モト純米酒。親譲りの清水焼の杯でお冷やを頂きましたが、辛口ながらふくよかで、なんともいえぬ美味しいお酒。たらこ餅の味を引き立ててくれました。 

 焼き鯛も頂きましたが、半身を潮汁で頂いたあと、仕上げに鯛雑炊にしました。

 栗きんとんは築地の商店の物。これも餡に栗の味がしみていて美味しかった。

 それぞれ、さほど贅沢な物ではありませんが、自分なりに一つ一つ良い物を選んで味わいながら新年を祝うのが僕流の新年の過ごし方です。

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寺町通りの進々堂で朝食を食べる

071026_07550001_2  京都は1泊しか滞在しなかったのですが、宿泊した翌朝は、久しぶりに寺町通りの進々堂さんに行き、名物のシナモン&シュガートーストセットの朝食をいただきました。

 ちょっと小雨が降っていたので、A-bikeはホテルの部屋に置いておき、徒歩で向かいました。A-bikeは両手でしっかりハンドルを握らないと大変不安定で、傘さし運転などしようものなら、1、2メートル進んだだけでフラフラになってひっくりかえってしまうからしょうがありません。

 寺町通りの進々堂さんは、僕の学生時代からおしゃれなお店として有名でしたが、今もまったく変わりなくそこにありました。

 お店の前に来ると、中から焼きたてのパンの香りが通りに漂よっていて、それだけで幸せな気持ちになりました。

 シナモン&シュガートーストは、イギリスパンの上に、たっぷりのバターとともにシナモン・シュガーが、きつね色の飴のようにこんがり焼き上げられていて絶品です。

 コーヒーも丁寧に抽出されていて、大変美味しく、思わずお替りをしてしまいました。

 学生時代、友達に会いたくなると、僕は、大学の前の「わび助」に顔をだしていましたが、一人で寺町や河原町の古書店に歩いて行く際には、このお店に立ち寄ったものでした。

 学生時代そのままの懐かしいお店に行くと、タイムトラベルでその頃へ戻ったような嬉しい気持ちになります。

http://www.shinshindo.jp/

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蒸しあん肝をつくる

 最近、お魚屋さんの店先にボストン産のあん肝が出回ってきました。

 なじみのお魚屋さんにもあん肝が並んでいたので、さっそく買って、蒸しあん肝をつくりました。

 僕の作り方は次の通りです。

1)まず、軽く水洗いしたあと、ボールに入れた冷たい水の中にあん肝を沈めて、冷蔵庫に置いておきます。この時間が長ければ長いほど、あん肝が雪のように真っ白い色になり、ふんわりします。短いと、血の色が残り、切ったときオレンジ色のまだらなあん肝になってしまいます。数時間はそのままにすべきでしょうが、まあ、色さえ気にならなければ、1時間くらいでいいでしょう。

2)それから水を捨てて、あん肝を軽く洗って、それが見えないくらいたっぷり塩をふりかけ、塩を全体にまぶして、さらに2,30分置いておきます。

3)それから、塩を洗い流して、まな板の上で、血管や筋、薄皮を注意深くはがします。

4)そしてまた軽く洗って、今度は冷たいお酒に浸して、またまた2,30分置いておきます。

5)そうしたら、アルミホイルにあん肝を乗せて、ホイルで巻きずしの要領で巻いて形を整え、ホイルの端をひねって閉じたあと、蒸し器で2、30分ほど蒸します。

6)それから、蒸し器からホイルごと取り出し、氷を乗せて荒熱を取って、あとは冷蔵庫などで冷やします。

7)冷えたら、適当な厚みで輪切りにして九条葱を刻み、ポン酢をかけて、冷酒やワインでいっぱいやりながら食べます。これがまったりして最高に旨い。

 作り方のポイントは3)ですね。血管や筋、薄皮をできるだけ注意深く取り去ると、できあがったあと、形がくずれず、食感も良いものとなります。

 3)を除けば、作業自体は非常に簡単ですが、工程は多く、全体で2,3時間かかりますので、携帯のタイマー機能などを利用しながら、他のことをし「ながら」の調理がいいのではないでしょうか。

 あん肝はもちろん新鮮なものがいいです。ちょっと古いと、少し黄色味掛かったところが目に付いたりします。

 冷酒は辛口がいいですね。だいたい作家仲間はキクマサ(菊正宗)を愛飲しています。僕は日常酒としては、キクマサのピンを飲んでいますが、これはお手頃のお酒ですが、和食で飲むと思いの外旨い。先日、知り合いの方々と飲んでいたら、その中にいらっしゃったM大学の某教授、地方の造り酒屋のご子息ですが、この先生もやはり日常酒はキクマサのピンだそうです。思わず嬉しくなりました。

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日本再生酒場

 新丸の内ビル5階に「日本再生酒場」という名前の立ち飲み屋があります。

 そこは昭和の酒場を再現したテーマパークのような酒場で、ここで一杯やると、自分の父親の時代に戻ったようなタイムスリップ感が味わえます。

 ここは、東京西郊、調布にある「い志井」というモツ焼き屋さんが始めたお店で、店長さんんも、もともと「い志井」調布店にいた方のようです。

 付け出しには、キュウリときゃべつの浅漬け。これがサッパリして旨い。

 ただ、ここのハイボールは、秘伝レシピとのことですが、ちょっと甘く、酒飲みとしては、もう一寸辛い方がいいなあ。少し聞いてみたら、ジンジャー・エールも入っているとのこと。なるほどネ。

 でも、丸の内で、隣りの方どうしが肩をふれあいながらガヤガヤ酒が飲める場所はここだけでしょう。

 丸の内なのに、不思議と若い女性だけで来られるグループもいらっしゃいます。

 実に楽しいお店です。

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パエリアをつくる

 最近、休みになると、自宅でパエリアをつくっています。

 パエリアはもともとその料理専用の鍋の名前だったようですが、その丸くて平たい鉄鍋で具を焼き、そのエキスが出た汁で米を炊きあげる料理です。パエリア鍋は両手がついてますので、できあがったら、そのままテーブルに置けます。

 日本では魚介類でつくるのが一般的ですが、語源にあるように、パエリア鍋でつくれば、具は何でもいいと思います。良い出汁が出ればどんな具でも美味しいですね。ただし、海老とかムール貝とかいれると豪華です。(だから、お店では、魚介類のパエリアが一般的なのでしょう。)

 僕が最近つくるのは、キノコとお肉のパエリアです。

 作り方は次の通りです。

 1)まず、パエリア鍋にオリーブオイルを入れて熱する。

 2)その熱でお肉(豚肉でも牛肉でも鶏肉でもかまわない)を炒める。お肉が焼けたら、キノコを放り込りこんで、また炒める。炒める際には、例の「あなたに夢中」・クレージー・ソルトを使っても良い。

 3)具を炒めたら、水を入れる。水の量は、米を炊く分としては、米の容量の1.5倍くらいですが、キノコなどは水を吸うのでその分適当に増やす。

 4)水が沸騰したら、米を研がずに入れる。米をいれたらかき混ぜない。水は必ず米が浸る程度。あわせて、固形スープの素を1つ放り込んでよく溶かす。

 5)サフランを入れて米に色づけする。サフランが無い場合は、スーパーのカレーコーナーにある「サフランライスの素」でOK。

 6)10分程度煮込むが、その最中に水が少なくなったら、米が浸る程度に水を適当に足す。この辺はほんとうにテキトウです。

 7)米の芯がちょっと残っているくらい炊けたら、火を止めて、アルミホイルをかぶせて10分程度放っておく。

 8)その後アルミホイルを開くと、見事にお米が膨らんで、旨そうなパエリアが出来ます。その時、ちょっと火を入れて、底にお焦げをつけてもOKです。

 9)あとは、みんなでワインを飲みながらワイワイガヤガヤ食べれば最高です。

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秋の楽しみ

10月になると、実りの秋が楽しめるものが登場してきます。

 ボジョレー・ヌーボーは毎年11月第3週の木曜日に「解禁」と決まっていますが、日本のワインメーカーが新酒を出荷しはじめるのは10月です。

 柿や栗もお店に並びます。秋刀魚や新米は既に9月頃には出ていますが、牡蠣が登場してきます。

 牡蠣は白ワインを飲みながらレモン汁で食べると最高に旨いけれど、ポン酢に日本酒も捨てがたいですね。

 広島の大振りの牡蠣もいいけれど、東日本だと、小振りの牡蠣を牡蠣フライにして、レモン汁をたっぷり掛けて食べるのが美味しい。

 フグも出てきます。夏の間休んでいた四谷のフグ料理店が、店を開けるのもたしか10月だったかしらん。良心的なお店で、昔は通いましたが、今はすっかりご無沙汰しています。

 あの店のお婆さんの給仕さんはお元気かな。

 仕上げのフグ雑炊をつくるとき、まず自分の手に塩を振って、鍋の上で両手をこするようにして塩を落としてくれるので、なんとも微妙な味加減になりました。

 ヒレ酒は熱燗に限りますね。焼き焦がしたヒレを湯飲み茶碗にいれて熱燗を注ぐのですが、ヒレ1枚で熱燗2杯はお代わりが出来ます。

 それにしても、ワインの新酒は甘くフルーティで、葡萄の香りあふれるものが多くて、毎年楽しみです。

 毎年変わりない平凡な一年ですが、その一年の中で実りを実感させてくれる秋が僕は大好きです。

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丸の内の穴場レストラン「バルバラ・マーケット・プレイス」

 こちらも新丸ビルのお店です。

 僕は毎日東京駅で乗り換えているので、新丸ビルに入ったお店を利用するのがとても楽しみなのです。

 特に地下の「成城石井」は食材やワインが充実していて、とりわけ、麺類のランチなんかは珍しく、よくここで買い物を楽しんでいます。

 また、成城石井を通り過ぎて右折し、ビルのドン突きの自動ドアを出たところに、南欧の市場をコンセプトにしたレストランがあります。これが結構穴場になっていて、僕はここにも、友だちとたまに食事に行きます。

 チーズの品揃いが豊富で、生ビールはハートランドとハイネケンです。

 地下ですが天井が高く、ガラス戸の外はテラス席がならんでいて、会話が盛り上がります。

 ただ、氷を満たしたジョッキにワインが注いで「名物」としている「かちわりワイン」(500円)は、氷を抜いたらワインがツー・フィンガーほどしか入っておらず、コストパフォーマンスは良くありません。

「名物」と称するなら、お客が満足する物を提供してもらいたいですね。

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京のもり蕎麦

 いったん今回で蕎麦談義を止めようと思います。

 日本ペンクラブは毎年十月に京都例会を東山の洛翠で行っています。

 昨年、僕はその例会に参加したのですが、ずいぶん早く会場辺に着いてしまったので、小腹が空いていたこともあり、ちょっと麺類でも食べようとあたりを歩きました。

 そこは岡崎公園の東端だったため、しばらく歩くと、動物園の北側に出ました。

 塀にそって岡崎のグランド前まで行き、北に上ると、二件の蕎麦屋さんが少し離れて店を開いていました。

 手前の蕎麦屋さんは新しく建てた綺麗な建物で、呼び込みの方もいましたが、その先の蕎麦屋さんは少し古めかしい蕎麦屋さんでひっそりした店。僕は迷わず、先まで歩いて古い方の蕎麦屋さんに入りました。

 店内に入ると、お客さんでずいぶん込んでいて、京都ではなつかしい「しっぽくうどん」などを食べている人がいましたが、僕はもり蕎麦を注文しました。

 出てきたもり蕎麦は実に京都らしく、創作陶器に丁寧に水切りされた蕎麦がもってあって、出汁は鰹と昆布が効いた薄い色の京風の出汁。薬味はワサビに加えて九条葱と、なんと擦り生姜が盛ってありました。

 つまり、「冷たい蕎麦を生姜で食べてみておくれやっしゃ」、という料理人のメッセージなのです。

 そこで僕は蕎麦に擦り生姜をのせて京風の出汁にさっと漬けて食べてみましたが、これがまた京料理のように食材の風味が生きた味でなんとも美味い。

 蕎麦は、江戸三大料理に挙げられるものですが、これさえも京風に仕上げてしまう京の料理人こそ恐るべし、と僕は厨房の奥で姿を見せぬ店主に畏敬の念が沸いたものです。

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やめられない蕎麦談義

 蕎麦の話になるとなかなか止まりません。

 今回は地方の蕎麦屋の話題です。

 信州蕎麦と並んで蕎麦で有名なのは会津です。その中でも桐屋夢見亭は会津の古民家で十割蕎麦を出してくれる店として有名な蕎麦屋です。

 ただ、あんまり有名になってしょっちゅう混雑するので、店員さんも余裕が無くなってしまって、お客さんに対して「釣り銭は困る」などと少しぞんざいな対応をする場合があるので、何度か興ざめな気分も味わいました。

 亡き母と一緒に食べに行ったときも、僕が母にごちそうするために大きなお札を出したところ、「釣り銭がない」などという対応をされました。

 そこで僕がお店にクレームを言いかけたところ、母が「いいから、いいから」と笑って、自分の財布から細かいお金を出してくれました。

 その時僕は母に驚きました。若いときの母は、僕と同じくらい率直・実直な人間だと思っていたから、意外だったのです。

 年を重ねて優しくなった母に対して、僕はその頃も、ちょっとのことで、率直にいろいろ文句を言っていたので、実に申し訳なくなりました。

 ついそんな感傷に浸ってしまうのも、場所がお蕎麦屋さんだからこそのことだと思います。

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自宅で蕎麦のかえしをつくる(2)蕎麦つゆの話

 江戸蕎麦の話をもう少しすれば、江戸時代、蕎麦一杯の値段は16文と相場が決まっていました。

 江戸時代は、幕末を除いて物価はほとんど変動しませんでしたが、「文」と「両」の交換比率は毎日変動していました。

 ごくおおざっぱに一両を4000文とすれば、現代の通貨で一両は約5万円程ですから、一文は13円ほどになります。そうすると蕎麦一杯の値段である16文は、200円程度の勘定になります。

 もり蕎麦を三枚、四枚とたべても千円もしない値段でした。

 このように、蕎麦は庶民の食べ物でした。

 江戸時代、蕎麦を二八(にはち)蕎麦などといいましたが、これは「に・はち、16」のかけ算の意味と、「蕎麦粉8対つなぎ(小麦粉)2」の意味を掛け合わせたものです。

 蕎麦で思い出しましたが、ずいぶん前、友だちの間で、信州蕎麦で有名な松本では、どこの蕎麦がうまいか、話題になりました。

 高級店はうまい店が多いのですが、庶民的でうまいのは、松本駅のホームの立ち食いであるとの結論で一致しました。

 しかし、そのホームの中でも、一番線の立ち食いが、二番線の立ち食いよりも旨い、いやその逆だ、などとなかなか議論が収まりませんでした。

 ところが、そのあと、地元のタクシー運転手さんに話を聞いたところ、松本駅の立ち食い蕎麦屋は、どのホームも経営者が一緒なのだそうです。

 それでは味の違いがなぜ生じるのか聞いたところ、ホームの立ち食い蕎麦屋のおばちゃんの中には、蕎麦つゆが沸騰しないように気遣いしている人もいるが、そこまでの気配をしない、少々ずぼらな人もいたのでした。

 後者の場合は、つゆが沸騰するのにまかせるから、どうしてもつゆの味が落ちる、とのことでした。

 結局、そばの味の違いは、その店の違いではなく、そのつゆを作る人の気遣いの違いだったのです。

 うまい蕎麦を選ぶためには、職人の方の性格を見極める必要があるようです。

 ただ、松本駅の話はずいぶん前の話で、先日同駅のホームの立ち食い蕎麦屋を梯子してみたら、どこのホームの蕎麦屋も大変美味しかったので、立ち食い蕎麦屋で働くおばちゃんの名誉のために一言申し添えておきます。

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自宅で蕎麦のかえしをつくる(1)

 最近は趣味が深化して、自宅で蕎麦打ちをする方も増えてきました。そのための道具や蕎麦打ちのノウハウDVDなどが通信販売で手に入るようになりましたし、僕の家の近くにも「蕎麦打ち道場」を開いている蕎麦屋さんが出現しています。

 蕎麦好きの方なら、一度は自分で蕎麦を打ってみたいものですが、これが実はなかなか奥方族の賛同を得られません。

 なぜなら、蕎麦を打つには広いテーブルが必要だし、粉だらけになって床が汚れるし、苦労して出来た蕎麦はうどんのように太かったり、キャベツの千切りのようにデコボコだったり、欲張って十割蕎麦などを打つとすぐに切れ、ゆで上がる時にはボロボロになって、スプーンでないと拾えなくなったりするから、奥方族の美食への欲求を満足させられず、旦那族の遊びのために片づけの苦労だけさせられるとうんざりされるからです。

 そして蕎麦打ちを旦那族がする場合は、蕎麦つゆまで手が回らないために、スーパーで永坂更級のつゆの缶詰などを意気揚々と買って来て、これを使うことになりますから、結局、全部自分でつくったことにはならず、あわよくば定年後は手打ち蕎麦屋を開業しよう、などという思いの実現には役立ちません。

 そこへゆくと、自宅で蕎麦つゆをつくるのは実用的で美味しく、市販の乾蕎麦でさえ名店の蕎麦に変えてくれます。

 また、蕎麦つゆはかえし(本かえし)を出汁(だし)で割ってつくりますが、このかえしは大量につくれば、保存と応用が効きます。奥方族も利用できるので大いに喜ばれます。

 僕はたいがい、日曜日にはこの本かえしをつくり、ウィスキーの瓶に入れて冷蔵庫で保存しておきます。

 その本かえしの作り方ですが、これは、味醂(みりん)に火を入れて砂糖を溶かし、それに醤油を足していって暖めます。こうすれば、寝かせなくてもすぐにかえしとして使えるのです。

 醤油が沸騰すると風味が落ちますので、表面に小さな泡が見えてきたらとろ火にします。

 分量としては、1週間分として、醤油500CCに対して、味醂100cc、砂糖70g程度です。甘辛の好みは砂糖で調整しますが、江戸蕎麦といえば辛汁ですから、あまり砂糖は増やさない方がいいでしょう。

 出汁は削り鰹節から取ります。高級出汁は一番出汁で作られますが、僕の家では、二番出汁まで取ります。水1リットルに対して、削り鰹節50g程度です。

 蕎麦つゆにする場合、辛汁(つけ汁)であれば、かえし2に対して出汁5です。

 甘汁(かけ汁)用であれば、かえし1に対して出汁10です。この比率は正確に保つ必要があります。

 この返しのつくり方は、僕の愛読する雑誌『サライ』(小学館)のお蕎麦の特集に掲載されていたレシピをノートしたものです。『サライ』は毎回こだわりの特集を組んでいるので、興味あるテーマの場合は必ず購読しています。

 以上のように蕎麦つゆはかえしに出汁を加えてつくりますが、これは大変合理的な考え方です。かえしと出汁を混ぜ合わせる比率で、つけ汁にもかけ汁にもなるからです。

 繰り返しになりますが、かえしは保存が利くので作り貯めしておき、あとは出汁だけをつくれば、鰹の香り立つうまい蕎麦つゆができます。

 出汁のかわりにおろし大根を用いても風味が良くて美味です。

 かえしに江戸時代の日本人の合理性を考えながら蕎麦をたぐるのも一興です。

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やっぱり江戸蕎麦は神田まつやに限る

 与一の蕎麦も旨いですが、やっぱり江戸風情の蕎麦といえば、神田小川町(須田町)のまつやが最高です。

 創業明治17年という老舗中の老舗の蕎麦屋さんで、店内は大机が並び、相席が基本。

 江戸っ子たちが席を譲り合いながら蕎麦をたぐるのが粋な仕草となっています。

 ここではおつまみは「板わさ」や「海苔」。

 その前に、お酒やビールを注文すると、黙っていても「蕎麦味噌」が付いてきます。

 「ぬき」(天ぬき)といって、つゆ蕎麦の天ぷら蕎麦から蕎麦を抜いたつゆ付け天ぷらも日本酒のつまみとしては人気の品です。

 また隠れファンが多いのが「カレー南蛮」。このカレーのおつゆはあまりに旨いので必ず最後まで飲み干します。

 夕方になると長い行列ができ、基本的に相席なので、グループで行くときは、午後5時頃までには入店するほうがいいですね。

 住所:東京都千代田区神田須田町1-13

 電話:03-3251-1556

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いわきの名産「ウニの貝焼き」と「メヒカリの天ぷら」

「スパリゾート・ハワイアンズ」が「常磐ハワイアン・センター」だった時代の定番のお土産は、パイナップルの形をした包装箱に入っていた甘いドーナツでした。箱を開けると、このドーナツが、輪切りのパインのように並んでいて、それだけで南国の香りがしたものです。

 今は、この名物が無くなってしまっていますので、僕は、ぜひ復活して欲しいと思います。

 これ以外だと、やはり近くの小名浜漁港の海の幸がいいですね。とくに今は高級魚として東京でも有名になったメヒカリは、小名浜の特産です。もともと深海魚なので目玉が大きく、氷水の入ったバケツにたくさん入っているメヒカリを見ると、その目は太陽に反射して水晶玉のようにキラキラ光っています。

 このメヒカリは天ぷらにすると、柔らかくて最高に旨いですね。頭から食べられます。

 小名浜漁港の市場ビルの2階にある食堂では、メヒカリづくしの定食が頂けます。

 メヒカリよりも昔から有名なのは、ウニ(雲丹)の貝焼きです。

 これは、握り拳大の大きな蛤の貝殻にウニをてんこ盛りにして蒸し上げたものです。

 これを食べるときは、貝殻ごとガスレンジで焼いて、すこし表面が焦げたところをほぐし、わさび醤油を掛けてあつあつのご飯に乗せる。これが最高です。

 料理自慢の宿になると、夕食にウニの貝焼きが一人一つづつ出されます。

 このウニの貝焼きはお土産用に冷凍になっているものがあるので、僕がいわきに行くと、大概、これを買ってきます。

 いわきの酒は「又兵衛」という地酒です。福島といえば会津の銘酒が有名ですが、いわきの名産を食する時は、これを熱燗でやると不思議に旨いですね。

 冬になるとアンコウ(鮟鱇)が旨いですね。閑散期のいわき湯本旅館の中には、福美館のようにアンコウづくしの料理を食べさせてくれるところがあります。

 アンコウを腹一杯たべたければ、冬のいわき湯本に行くに限ります。

 いわきは一年中旨い物があって、東京から車で3時間たらずで行けるので、僕が大好きな土地の一つです。

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