アイビーの冬の2大コートといえば、トレンチ・コートとピー・コートです。
僕はトレンチ・コート派ですが、友だちはピー・コート派です。
トレンチ・コートはやっぱりバーバリー。丈夫な生地とD管、裏地のバーバリー・チェックがバーバリーであることの証明です。
トレンチはもともと陸軍将校用の外套で、Dの形をしたD管がベルトにいくつもぶら下がっていますが、これは手榴弾を吊すためのものと言われています。正当なトレンチ・コートかどうかは、このD管がベルトにぶら下がっているかどうかを見れば一目で分かります。
しかし、本当に腰に手榴弾をぶら下げたら、せっかくのトレンチも殺風景なものになります。それに、怖いし重いしで、着心地も最悪でしょう。
やっぱり、D管があるからといっても、手榴弾がぶら下がっていないのが世のため人のためには一番良いですね。
トレンチは襟を立てて、ベルトは半蝶結びに縛るのが粋な着こなしです。
これを着るときは、やっぱり「カサブランカ」のボギーを気取りたくなります。
一方、ピー・コートは、紺色、厚手のメルトン地で錨のマークの同色のボタンが縦に3つ、ダブルに並び、左右どちらにもボタン穴とボタンがついているので、両方とも表にすることができます。これはピー・コートがもともと海軍の軍人のためのコートで、船の上の強い横風から身を守るための工夫です。裾丈が短いのは、デッキの上ではどうしても動き回る必要があるからだと思います。ピー・コートの特徴をそなえていても、ボタンに錨のマークがなければ、正統なピー・コートとは呼べません。
ピー・コートの2つの特徴、つまり、左右どちらでも表にできること、裾丈が短いこと、これによって、男子も女子も着ることができるので、日本では学生の定番のコートになりました。
ネイビーのブレザーを着てチェック柄のミニ・スカートを履き、ブレザーの上にピーコートを羽織り、バーバリーのマフラーを首に巻く女子高生は、日本の冬の朝、駅のホームでよく見かける姿です。
しかし、着る立場としては、ピー・コートの丈の短さが僕としてはこのコートを気に入らない点で、裾が膝に届くほど長いトレンチの方が暖かくて好きです。おまけで言えば、女子高生が寒い冬にミニスカートを履くのは、ファッションとしては理解できますが、残念ながら、彼女たちはまったく合理的は判断をしていないと思います。
一方、トレンチ・コートの難点は重いことです。
最近は、軽くて暖かい新素材のコートが数多く出回るようになって、街で正統派のトレンチ・コートをしっかり着こなす人はほとんどいなくなりました。
僕も日常は、なまけて新素材のコートを着ることが多くなりましたが、それでも、ここぞという集まりの時は、トレンチ・コートを着るようにしています。
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