ボジョレー・ヌーボー3日で売り切れ!
11月第3週の木曜日がボジョレー・ヌーボーの解禁日だけど、毎年、スーパーマーケットでは12月頃まで売れ残っているから、今年も同じかな、とノンビリしていたらとんでもないことになっていた。
土曜日、つまりボジョレー・ヌーボー解禁日から3日目。近くの西友に行って、例のマスコミで話題のペットボトル¥780円也のボジョレーを買いに行ったら、どの棚にも置いていない。ようやく見つけたのが「完売でもう入荷しない」という張り紙。
(ウソっ??)
僕の専門の一つがマーケティングなので(これはひどい話だな!)と思った。その理由は後で書きます。
こうなると、調査欲が沸いてきて僕はドン・キホーテに車を飛ばした。ドン・キホーテもペットボトルで¥880円のボジョレーを宣伝していたはず。
しかし、店に入ると、やっぱり「売り切れ」の文字。
その後で、別なお酒のディスカウント・スーパーに行ったら、張り紙さえ無い。店員の方に聞いたら、「もう終わっちゃいましたよ」という返事。別な女子店員は(この人、今頃何しに来たの?)というような僕を笑うような目つき。
それから今度は普通のスーパーに行ったら、¥2000円くらいのジョルジュ・デュブッフのボジョレーはたくさん売れ残っていて、宣伝用のポスターも壁に貼ってあった。
さて、今年は、千円を切るペットボトルのボジョレー・ヌーボーが解禁日前からマスコミの話題となっていて、西友は発売直前、890円のボジョレーを100円下げて780円にした。それはドン・キホーテに対抗したためとのこと。
マスコミ各社は、ボジョレーの価格が千円を切るようになったのは、ガラス瓶をペットボトルに置き換えて重量を下げ、流通コストを削減できたから、と伝えていたが、それは企業の言い分をそのまま伝えただけでだったようだ。
現に、西友は、ガラス瓶のボジョレーはペットボトルのそれより百円高い価格設定にしているのだから、ペットボトルによる重量削減の対費用効果は百円ということ。しかし、このような大手のスーパーは、昨年2千円くらいで売っていたボジョレーを半額以下で販売したのだから、いったい、どうやって千円も価格が下がるのだろう。
その理由は、今までのボジョレーが高すぎたか、今年のペットボトルのボジョレーが安すぎたか、のどちらかでしかない。というか、その両方だろう。
需要=供給理論で言えば、価格が下がれば需要が高まるのは当たりまえで、その需要に見合った供給量をすることで利益が上がる。
だから当然、本来なら、価格を安くすれば、それだけ数量を増やすのがビジネスというものだ。
しかし、今年、大手のスーパーがやったことは、価格を下げて、かつ、直ぐに売り切れになるほどの数量しか供給しなかったことだ。
ちょっと考えれば、ボジョレー地区のワインの供給量というのは、その原料がブドウという農作物であるかぎり、一年で倍増するわけがない。だから、価格を半分にしても、供給量が二倍増えることなどありえない。
これはすなわち、「ペットボトル・ボジョレー」は、大手スーパーが、「我こそは地域で一番価格が安い製品を供給している!」と宣伝するために、その宣伝のネタに使っただけのものであることを示している。
別にそれはそれぞれのスーパーが自社のマーケティングとしてやったことで、僕にとやかく言われる筋合いはない、ということかもしれないが、僕はそうは思わない。
まず、大手のスーパーがやったことは、日本のデフレを加速する行為である。
また、日本でのボジョレー・ヌーボーの相場を崩壊もさせた。
今年、おそらく従来の価格のボジョレーは従来以上に売れ残るだろう。そして、もう来年以降、ボジョレー・ヌーボーは、千円を切るような商品としてしか消費者に理解されなくなるだろう。
マスコミも、「ペットボトルで物流コストを下げたために安くなった」などという企業の宣伝文句を受け売りせず、ぜひ批判的にこの問題を掘り下げてほしい。
悪貨は良貨を駆逐する。
質の悪いマーケティングは経済全体に迷惑を掛けるのだ。
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