ご存じの方もいらっしゃると思いますが、サンタクロースに関して、歴史に残ったコラムがあります。
それは今から110年前の1897年にニューヨークの「The Sun(ザ・サン)」という新聞に掲載されたもので、「サンタクロースはいるのですか?」という8歳の女の子からの手紙に答えたものです。
手紙を送った女の子はバージニア・オハンロン( Verginia O'Hanlon )、コラムで答えたのは、フランシス・ファルセラス・チャーチ ( Francis Pharcellus Church )です。
このコラムはその後世界中で翻訳され、本に紹介され、映画になり、 ポスターや切手にもなりました。
下はそのコラムを僕が全訳したものです。日本語訳ではもっとも最新のものとなります。たった今翻訳したてのものですから。(最下段に、オリジナルのコラムが掲載されているアメリカの新聞博物館にリンクを貼っています)
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「サンタクロースはいるのですか?」
1897年9月27日火曜日 「The Sun」
私たち「ザ・サン」新聞社は、この質問にすぐに、そして、以下のようなすばらしい応答ができて喜んでいます。あわせて、私たちの仲間にこのような回答をしてくれた誠実な記者がいることを大変嬉しく思っています。
「親愛なる編集者様、私は8歳です。
私の仲良しの友だちの何人かは、サンタクロースはいないと言っています。
パパは『もし知りたいなら、「ザ・サン」に聞いてごらん。「ザ・サン」が言うことが正しいと思うよ。』と言ってくれました。
どうぞ本当のことを教えて下さい。サンタクロースはいるのですか? バージニア・オハンロン、115西95番通り」
バージニア、君の友だちは間違っています。彼らは懐疑主義の世代の無神論に影響されています。彼らは目に見えること以外信じないのです。彼らは自分の狭い心で理解できないものは何も存在しないと思っているのです。そう、バージニア、大人であろうと子どもであろうと、人間の心は狭いものです。私たちの偉大な宇宙の中では、人間は知性において、単なる虫けら、アリのような存在です。人間をとりまく無限の世界と比較して、すべての真実と知識を理解できる知性というものを基準として考えたときには、人間はアリのような存在なのです。
答えはイエスです、バージニア。サンタクロースはいます。愛や寛大な心や献身が存在するのと同じくらい確実にサンタクロースは存在しています。君は知っていますね、愛、寛大な心、献身、これらは豊かに存在していて、君の生活に最高の美と喜びを与えてくれることを。
もしサンタクロースがいなければ、世界はなんとすさんだものになるでしょう!なんと悲しいことですね!それは、あなたの家族がもしもいなかったとしたときと同じくらいものわびしいものになるでしょう!そして、もしそうであったなら、生きることを堪えてゆくための、こどものような素直な信仰も、詩も、ロマンスも無くなってしまうでしょう。そして、私たちは、頭で考えたことと見たもの以外を信じることができなくなり、子供の時に世界に満ちあふれていた無限の光は消えてしまうでしょう。
サンタクロースを信じないことなんて、妖精を信じないようなものですよ!君がパパに人を雇ってもらって、クリスマス・イブに全部の煙突でサンタクロースを見張ってもらうようなものです。でも、もしもサンタクロースが煙突から降りてくることを見なかったからって、それが何を証明することになるのです?
だれもサンタクロースを見ることはできません。だけど、それは、サンタクロースがいないことを示すものではないのです。子供も大人もサンタクロースを見ることができないことは事実です。君は、公園の芝生の上で妖精がダンスをしていることを見たことがありますか?もちろん無いでしょう。でも、それは、妖精がいないことの証明にはなりません。
目に見えない、または、見ること自体できない世界中のすべての不思議なことを推測し、理解しようとしたって誰もできるものではありません。
君がもし赤ちゃんのガラガラを壊せば、中で何がその音を鳴らしているか分かるかもしれません。だけど、目に見えない世界には、最強の人でも、あるいは、今までいた中で最強の人が集まって最強の束になってかかっても壊せないベールがあるのです。ただ信仰や夢や詩や愛やロマンスだけがベールのカーテンを押し開けて、その天界の美と栄光を心に描き見ることができるのです。
「その話って本当?」ですって? おお、バージニア!このベールの世界は真実で不変のものですよ。
サンタクロースがいない、なんてとんでもない!ありがたいことに、サンタクロースは生きています。彼は永遠に生きているんです。バージニア、今から千年先も、1万年の10倍先でも、サンタクロースは子どもたちの心を喜ばせ続けるのでしょう。
(トニー北山訳)
http://www.newseum.org/yesvirginia/clipping.htm
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